ブルームーン

5月22日大阪森ノ宮ピロティホール横山裕さん主演舞台「ブルームーン」を観劇した。横山さんの人気や信頼を表すかのようにファンクラブでも一般発売でもチケットはなかなか取れず、今回も優しい方に譲っていただいた。本当に感謝しています。

 

 ブルームーンはざっくり言うと青年がタイムスリップする話だ(ホントにざっくりしていて申し訳ない)。恋愛ものという情報だけ仕入れて森ノ宮へ向かった。(ちなみに会社説明会を二つ終えた後だ)

 

 主人公のユタカはちょっとだけ癇癪もちで子供っぽい。横山さんがテレビで演出する(しているように見える)「関ジャニの横山」に似ているなと感じた。めんどくさいし言葉も荒っぽいし、そのくせ自信がない。なんでルミはこんな男と付き合っているのだろうと不思議で仕方なかった。

 ユタカの恋人のルミは輝いて見えた。(この時点でユタカの目線でストーリーを見ていたのだろう)   好きな仕事に就いてきらきらしていて美しい。

 でも物語が進むにつれて二人の印象は変化していった。癇癪もちで自信がないように見えたユタカは繊細で優しい青年だった。仕事に奔走するルミはちょっと疲れちゃっていて気持ちが揺らぐことがあった。私はだんだんユタカの目線から離れてきていた。

 このお話に登場する人物はみんな、ちょっと残念なところがあるけれど一生懸命だ。私はそんなみんなが好きになった。むしろちょっと残念なところが愛おしい。短所ってチャームポイントよね。

 最初はユタカを「いけ好かないやつだな」と思っていたはずなのに、後半はほぼ泣いていた気がする。ラストは完全にルミの目線になっていた。

 

 ブルームーンは素敵なお話だ。私は演劇には詳しくないから印象だけの話になってしまうが。

 観客(私)が味わうハラハラも悲しみもときめきも、全部等身大だったからではないかなと思う。どの人物にも感情移入できたのは、どこかしら自分と似ているところがあったからだろうか。ユタカの自分を卑下しちゃう気持ちも、ケイトの頭では理解しているけど認めたくない気持ちもわかる、わかるよ。

 

 ブルームーンは素敵な舞台だ。横山さんが出演したからこそ出会えたお話である。そのことがとてもうれしい。

  最後にいっしょに観たかったなという人の顔が浮かんだ。それまで含めてブルームーンの思い出にしようと思う。