堂本剛さんに出会った。

 ライブがあると知ったのはその日の朝、関西国際空港に到着しバスで移動している最中だった。就職活動のために大阪を訪れ、夜は味園でも行こうかな(この時点でまじめに就活する気がない)とぼんやりしながらツイッターを眺めていると、どうやら今日大阪でライブがあるらしいと知った。堂本剛さんのソロツアー"TU FUNK TOUR"だ。開演時間は7時、間に合うではないか。これは運命だ、行くしかない。運のいいことにご縁があり、チケットを譲ってくださることになった。(本当にありがとうございます) 

 面接もウキウキでこなした。

 

  スーツ姿のまま(思ったより浮かなかった)ペンライトを握りしめ会場に入った。

「やばいところに来てしまった」そう思った。ホールの真ん中で異様な存在感を放つでっかい水晶があった。す、スピリチュアルだ… 事前知識も全くない中で楽しめるのか不安になった。

 

 で、始まってみると(お察しの通り)楽しかった。めちゃくっちゃ楽しかった。

 まず驚いたのが音が厚い。ドラム2台にコーラス4人、様々な管楽器に何本あるねんというギター。壮観でした。剛さん本人が「うるさいでしょ」と揶揄していたように、ものすごい音量だった。ボーカルがかき消されるのではというくらいの音たちは、まさに濁流のように押し寄せてきた。音に溺れそうだと初めて感じた。剛さんのボーカルは、その濁流の中で一つのピースとして機能していた。主役というより一つの楽器として流れを作っていた。

 タイトルも歌詞も曲の終わりもわからなかったけれど、大きな流れに身を任せるのは心地よかった。

 MCの面白さはさすがKinkiにーさんといった感じだった。水晶の音響効果についても説明してくれたので、スピリチュアル目的じゃなかったんだね…と安心した。(いや、だまされないぞ…)

 

 それまで私はノリノリだったのだけれど、終盤バラードが始まって動けなくなってしまった。funk musicのときは楽器みたいだった剛さんが急に意思を持った人間になったように見えたからだ。Funkの濁流とはまた違った流れが会場を巡っていた。ホールの中央で歌う剛さんは同じ人間とは思えないくらい神々しくて、ひとつの世界の中心をのぞき込んでいる気がした。理由のわからない涙が止まらなかった。

 

  三時間を超えるライブはあっという間で夢のようだった。

 本当に申し訳ないことに一曲もタイトルがわからなかったのだが(勉強します)、全く気にならないくらい楽しかった。音楽って楽しいんだと純粋に感じた時間だったと思う。

 

 ちなみに関ジャニ∞以外のジャニーズのパフォーマンスを見るのは初めてだったのだが、客層も演出も全く違って興味深かった。グッズのおしゃれさはぜひ取り入れてほしい(私情)。