ジュリエット通りをみました。

11/21ジュリエット通りを観劇しました。
以下の内容はネタバレを含むのでご注意ください。

見終わってすぐの感想は「むずかしかった。なんかすごい迫力だった。」です。今もそれほど変わっていません。私の観劇経験はジュリエット通りで三回目です。(うち一回はいふおあ)なので舞台演劇もよくわかっていないドシロートとしてぼんやり感じたことをつらつら書いていこうと思います。

 あらすじは割愛します。
 意外だったのは太一が思ったよりも安田さんだったことです。冒頭では太一は自己中で傍若無人な人物だと思っていたのですが、意外と冷静な発言をしたり、人の言葉に同意して自分の考えを変えたりするシーンが印象的でした。オールバックに眉間のしわというビジュアルもあって、太一という人物は頑固で気性の荒い青年だとばかり思っていた私は、就活や家族との関係に悩む太一が驚くほど普通の青年なんだということに気づき、なんだかとてもしっくりきました。
 私は安田さんを普通の人間だと思っています。もちろん技術や才能は抜きんでていると思っていますし、無個性とは思っていません。誰もがどこかしら共感できるようなところをたくさんもっているのかなと思っています。普通であるぶん、何にだってなれるし、今回のように主人公になれるのだと思います。
 ジュリエット通りでは、一番影響力のあるキャラクターは太一の父だと感じました。主人公である太一やスイレンの出番はそこまで多くはなかったです。ですが、少なくとも私が感情移入できたのは主人公二人に対してだけでした。主役として物語を牽引するのではなく、観客といっしょに物語をなぞっていくような役でした。そういった意味で、太一は安田さんにぴったりだったのではないかなと思いました。
 ロミオとジュリエットがモチーフとなっているときいて悲劇を想像していたのですが、結末は曖昧で(いまだにラストシーンはよくわかりません)、太一がその後どうなったかは想像もつきません。ですが、結果的にスイレンの手を取らなかった太一に待っているのは絶望だけではないのかなと思っています。スイレンが不幸の原因とは思っていませんが、あそこで二人が結ばれたら、また同じ物語が繰り返されるのだと思いました。
 冒頭から、舞台全体に広がる重く暗い印象をずっと感じていて、とても息苦しかったです。その息苦しさは、小さな世界で時が止まったかのように人々が生活している閉塞感からきているのかなと思いました。無限ループのような世界にやがてほころびが生じ、すべてが崩壊していく中で、ジュリエットの手を取らなかったロミオは、悲劇ではないその後の物語をつくってくれるのではないかなと希望を抱いています。私はハッピーエンドが好きなので、できるだけ明るい未来を想像しています。
 ロミオとジュリエットが題材ですが、メインのテーマは男女間の恋愛よりも家族だなと感じました。

 今回時間の都合上二講演しか見ることができなかったのですが、繰り返しセリフをなぞるたびに新たな発見や解釈が見つかるので、もっと見たいと思えるような舞台でした。
 
 ほとんど太一に関してしか書いていませんが、どのキャラクターも個性豊かで魅力的でした。生で演技するという演劇の面白さに少しふれられたように思います。まとめながら(まとまってないですね)気づくことも多く、いろいろな解釈ができるんだととても新鮮でした。
 一言で総括すると、見てよかった!です。
 本当にとりとめない文章ですみません。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。